東京都女性経営者会員登録はこちら

Follow us

  • Facebook

レポート

第7回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会3:事業承継後に変えたもの、変えなかったもの
「“変えるチャンス”を閉ざさない」ことで、変わらず事業を守っていく

「事業承継後に変えたもの、変えなかったもの」をテーマに話し合うセッションでは、IT専門誌で知られる株式会社BCN代表取締役社長の奥田芳恵氏が進行を務め、事業承継に関わりの深い3名の女性経営者を迎えて行われました。

創業112年を迎えたオフィスの総合商社、株式会社オカモトヤ代表取締役社長の鈴木美樹子氏は、大手アパレルメーカーを経て30歳で入社し、2022年に社長に就任したといいます。「私自身は、結婚と子育てを両立しながらやらせていただいています」
株式会社cotta代表取締役社長の黒須綾希子氏は、大手人材サービス会社を経て入社し、4年前に社長に就任。社名も改め、Eコマースに注力しています。「社長交代した年はコロナ禍。そのなかで双子を出産し、なかなかハードでした。今も3姉妹の子育て中です」
「私は事業承継をしていないほうの人間」と話し始めたのは株式会社ミヨオーガニック代表取締役の山本美代氏。竹の割り箸で創業し、建築事業を手がける家業に一度は入るも、2023年に現在の会社を創業。竹の歯ブラシなど、従来プラスチックが主流だった日用品を環境にやさしい素材で展開しています。

最初の話題は、「事業承継の経緯」。
まずは「承継しなかった」山本氏にバトンが渡ります。「やりたいことが家業でできるとジョインしましたが、経営者である母と衝突し、仲たがいではないものの『事業をやっていく上では別々がいい』」という結論になったとか。
黒須氏の家業はカタログ通販による製菓店向けの卸業で、事業が伸び悩んだ際、黒須氏がBtoCにターゲットを広げ、Eコマースを販売チャネルのメインへ押し上げたことが“代替わり”のきっかけに。「『常に変化できるものだけが生き残れる』と言う父だったので、自分が育てた事業を否定してでも私の新事業を後押しし、会社の資源を集中させてくれました」
鈴木氏は父からの打診を機に入社したそう。「父とはあまり衝突もなく、会話を重ねながら、お互いのことを尊重しどうするか話ができた。年月をかけて父の背中を見られたことは、私にとっての大きな糧です」

次の話題は「事業承継後に変えたもの・変えなかったもの」について。
鈴木氏は、会社のキャッチフレーズ「オフィスづくりのパートナー」を、「働く人のミカタ」というパーパスへ変えたといいます。「コロナ禍で働く場所はオフィスだけではなくなり、人の働き方もかなり変化しましたから、目線を広げていきたかった。“働く人のミカタ”になったことで人にフォーカスが当たり、やれることも広がるなと」黒須氏は、事業部長、取締役、代表と立場が変わるにつれ「父の大事な会社」、「cottaは私のブランド」という気持ちから責任感が増し、「『株主に任されている』感覚が強くなり、昔のように自分だけで進めるようなことはできなくなりました」と言います。

「変えたもの」にはパーパスや行動指針もあったそう。「父の代では『連続増収こそ、私たちの価値の証明』というポリシーがあった。一方、自分の代になってコロナ禍で連続増収が途絶え、私も社員も自分たちの価値を見失いかけてしまって。そこで、時代の変化と共に方針転換していくために『私たちの存在意義は決して売上を伸ばすことだけではない』と改めて言語化しました」
事業としては分かれたものの、家業から学んだことはあるかと問われた山本氏は、まず「母のことは尊敬しています」と断言。家業の顧客であったホテル・飲食業界を理解できていたことや、竹の割り箸という家業があったからこそ、現在のメインプロダクトである竹の歯ブラシがあると述べました。また、現在も母の会社へ業務を委託するなど、連携して助け合っているのだそうです。

最後の話題は「今後チャレンジしたいこと」。
山本氏はアップサイクル事業や就労支援施設との連携が地元・名古屋で喜ばれていることに触れ、名古屋での事業を拡大したいと言います。一方、海外進出への気持ちも明かし「うちの会社はまだまだこれからなので挑戦していきたい」とやる気をのぞかせました。
鈴木氏は「チャレンジできる環境を与え続けるのが社長の仕事だと思っている」と言い、自身も「人が働く環境をつくれることは、私のなかではロマンがある仕事。今後はオフィスをつくるだけでなく、空間がどのように発展していくのかという違う展開の仕方で提供してみたい」と夢を語ります。
黒須氏からは「M&Aで美容業界に挑戦しようとしています」と驚きの内容が。「私たちは非常に細いものをピッキングして配送する物流の仕組みや、内製組織で緻密に業務改善してEC化率を上げる経験という、自分たちだけの“資産”を持っている。これが他の業界でも通用することを証明して、社員たちの功績の裏付けにチャレンジします」と力強く宣言しました。

事業承継は単なる引き継ぎではなく、新たな価値を生み出すプロセス。継ぐべきものと変えるべきものを見極める経営者たちの視点に、多くの気づきを得られるセッションとなりました。

鈴木 美樹子
株式会社オカモトヤ 代表取締役社長

成蹊大学経済学部卒業。
株式会社エドウイン入社を経て、2006年株式会社オカモトヤ入社。
2022年110周年を機に事業承継し代表取締役就任。
働き方改革・健康経営等の制度設計など、社内改革を推進。
健康経営優良法人認定ブライト500は3年連続で認定、ホワイト企業認定ではプラチナランクを保持し、ホワイト企業アワードでは労働生産性部門を受賞。
2022年新規事業として女性活躍推進サービス『Fellne』の立ちあげ、子供達に提供するワークショップ事業『あそび基地~とらとら』等の立ち上げ、112年続く文具店を無人営業対応するなど、既存ビジネスを基軸に新しい価値提供しびジネスモデルを構築している。2024年本社オフィスを移転。新オフィスは第37回日経ニューオフィス賞ニューオフィス推進賞を受賞。プライベートでは2度の育児休業経験。2姉妹の母。

黒須 綾希子
株式会社cotta 代表取締役社長

2007年に株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社し、2010年には製菓・製パン材料の卸業を行う株式会社タイセイ(現:cotta)に転職。事業の低迷を打破すべく、子会社TUKURUを設立し、BtoC向けECサイト「cotta」の立ち上げを手がける。インフルエンサーマーケティングを駆使し、2013年には東証マザーズ(現:東証グロース)に上場。PB商品のシェアを50%に拡大し、会員数は170万人に。2020年にはcottaおよびTUKURUの代表取締役社長に就任し、企業の成長を牽引している。大分県出身で、3姉妹の母として家庭と仕事を両立させる一方、常にお客様の期待に応え、変化する時代に柔軟に対応し続けている。

山本 美代
株式会社ミヨオーガニック 代表取締役

3Mデンタル事業部、レストランPR、ウェディングコーディネーター、シンガポール食器ブランドプロデューサーを経て、2017年 家業である「株式会社豊和」で食器コーディネート事業「DINING+」を立ち上げる。2020年に一般社団法人 食器ソムリエ協会を立上げ、これまでの知識と経験を元にしたカリキュラムで構成した「食器ソムリエ講座」を開講。また、2023年サステナブルな未来を目指しオーガニックな竹製歯ブラシブランド「MiYO ORGANIC」株式会社ミヨオーガニックを設立、地球に優しいサスティナブルな日用品を展開している。

奥田 芳恵
株式会社BCN 代表取締役社長

1980年、秋田県出身。大学卒業後、出版社で広告進行管理、法律実務書等の編集を担当。
2017年BCNに入社し、週刊BCNの購読者管理、全社のブランディングを担当。19年に取締役、22年に代表取締役社長に就任。メディア事業では、新聞「週刊BCN」の発行と、WEBメディア「週刊BCN+」、「BCN+R」、「BCN eスポーツ部」、「中小企業×DX」を運営。データ・調査事業では、デジタル製品の実売データを配信する「BCN ランキングデータサービス」に加え、独自調査サービスを展開している。
一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会理事
特定非営利活動法人 ITジュニア育成交流協会理事長

開催日時 2024年11月25日(月)13:00-18:10
会場 【リアルイベント】
東京国際フォーラムB5・G502・G504・G505・G510(東京都千代田区丸の内3丁目5−1)
【ライブ配信(オンライン)】
ZoomとYouTubeによるライブ配信
対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
東京都女性経営者会員登録はこちら

Follow us

  • Facebook